2010年2月25日木曜日

Ⅱ 政権交代の意味と現状

 昨年8月の総選挙で民主党は政権交代の旗印のもと、細川政権などの一時を除いて戦後続いてきた自民党を「平成(無血)革命」により打ち破った。小泉政権での構造改革が成就しないままに安部・福田・麻生と続いた政権の投げ出し・たらいまわしや相次ぐ閣僚の不祥事や不適切な発言など、深刻の度を増す国民経済社会の状況そっちのけで政治茶番劇が続いたため国民の政治不信が高まり、折からの世界金融恐慌というかなり強めの外部要因も加わったことで歴史的な政権交代が実現した。これは、逆説として民主党が勝ったのではなく、自民党に国民が「NO」を突きつけたということでもある。

 民主党政権発足後、100日のハネムーン期間もとうに過ぎて政権交代の高揚感や期待感は沈静・後退、総選挙戦勝ユーフォリアも醒めている。6ヶ月経過した2月末のこのタイミングで、そもそもマニュフェストで掲げていた政策の現状のステイタスはどうか、それを実現するプロセスとして「政治主導」・「事業仕分け」とは何だったのか、また政治の本旨であり、政策を実現するための「予算」とそれを実現する「税制」はどのようなものであるのかを検証していきたい。今後、6月頃に最終取りまとめるとともに、成長戦略実行計画(工程表)が作成される予定である、昨年12月に公表された「新成長戦略の基本方針」についても是非についてコメントを加えることとする。

1.いきなり躓いた政治資金問題と初めての地方選・長崎知事選での敗退

 小沢民主党幹事長の政治資金規正法にかかる疑念(別稿:2月4日「小沢一郎」的政治業の限界と破綻 )と鳩山首相自身の政治献金問題で金権的自民党体質と本質的には差異がないことが印象として固定し、直近の民主党支持率の低下となっている。支持率60%以上から40%以下への急落スピードは政権交代後の実績がない現状では、かなりの恐怖感があってもしかるべきだが、自民党の支持率が上がっていないことで、「妙な安心感」を生んでいる。抜本的な党勢を回復するためには「小沢幹事長の辞職」あるのみと考える。

 また、2月21日の長崎知事選で民主党候補を応援する石井一選挙対策委員長をはじめとする露骨な利益誘導(*)がかえって足を引っ張り、自民党などが支援する候補が、民主党推薦候補に9万票差で圧勝する結果となってしまった。長崎は、民主党が比較的強い県として知られ、2009年8月の衆院選でも、風が吹いたとはいえ、4つの小選挙区すべてで同党候補が当選したが、「政治とカネ」の問題が解決していない中では、県民の反応も冷ややかなだった。今後の地方選でこの傾向が定着するようだと、7月の参議院選挙を控えて小沢辞任論が高まるのは必至の状況となるだろう。

(*) 21日付産経新聞によると、民主党の小沢一郎幹事長は、1月17日にあった同党長崎県連のパーティーで、「(推薦候補の)橋本剛君を知事に選んでいただければ自主財源となる交付金も皆さんの要望通りできます。高速道路をほしいなら造ることもできます」と話した。
2月22日放送のテレ朝系「スーパーモーニング」では、石井一選対委員長が1月29日の応援演説で、「時代と逆行するような選択をされるのなら、民主党政権は長崎に対してそれなりの姿勢を示すべき」と語ったと報じた。
2月22日付日経新聞によると、石井氏は、1月28日の決起大会で「島原には道路は造らんといかん」と訴えたという。さらに、前原誠司国交相も、島原で道路を視察し、同30日には「お金も権限も来る」と支援を呼びかけたと報じられている。

2.「政治主導」像の張りぼて加減・失敗のパターン

 ○功をあせりすぎた失敗

 政権奪取後の民主党の動きはすばやかった。特に前原誠司国交相はフットワーク軽く八ッ場ダムの建設工事の中止を通告しに現地入りし、他のダムサイトにもこまめに足を運んでいる。マニュフェスト至上主義の原理行動だった。また、前政権からの課題であった日本航空問題への対応も視界不良・操縦経験なしの状態で強行着陸を自ら設定した「タスクフォース」に委ね結論が出せず時間を浪費。ダッチロールの末なんとか着陸できる場所を見つけて胴体着陸を試み、機体炎上は回避したものの新パイロットの稲盛機長の手腕に頼っても離陸はかなり困難な状況に陥っている。取り込まれてしまうという恐れを官僚に対して持っている政治家は「政治主導」をいつまでも実現できない。官僚からは「子供大臣」と揶揄されておしまいになっている。

 ○連立与党の政治主導は同床異夢の失敗

 国民新党亀井代表(金融・郵政改革担当大臣)と社民党代表福島瑞穂(少子化対策・消費者行政担当大臣)はそれぞれの支持基盤と政治理念に基づき連立の中で埋没しないことに腐心しており、閣議における反対など閣内不一致となる火種がある。沖縄米軍基地移転問題(社民党の強硬な国外・県外移転主張)、外国人参政権問題(国民新党が反対)などの不協和音もあり、この2つの問題は前者が米国との合意の経緯の問題、後者が中国・韓国など民主党が「公約外公約」として利益誘導しようとする支持層への問題が根っこにある。3党合意は以下のようになっており、平常運転の場合は上記の2つの問題を除いては火種はないと思われるが、少数派連立与党のスタンドプレーや「貧者の論理」はみんな結果が平等という悪平等に陥り、望むべき結果に導かれないことが多い。

 -連立政権政策合意骨子(3党が2009年9月9日に合意)
 
 既得権益構造・官僚支配の自民党政治を根底から転換し、政策を根本から改める
 競争至上主義の経済政策をはじめとした自公政権の失政によって、国民生活、地域経済は疲弊し、雇用不安が増大し、社会保障・教育のセーフティーネットはほころびを露呈
 国民からの負託は、税金の無駄遣いを一掃し、国民生活を支援することを通じ、経済社会の安定と成長を促す政策の実施
 連立政権は、家計に対する支援を最重点と位置付け、国民の可処分所得を増やし、消費の拡大につなげる。
 中小企業、農業など地域経済基盤を強化し、年金・医療・介護など社会保障制度や雇用制度を信頼できる、持続可能な制度へと組み替える
 地球温暖化対策として、低炭素社会構築のための社会制度の改革、新産業の育成等を進め、雇用の確保を図る。こうした施策を展開する
 日本経済を内需主導の経済へと転換を図り、安定した経済成長を実現し、国民生活の立て直しを図る

 (1)速やかなインフルエンザ対策、災害対策、緊急雇用対策
 (2)消費税率の据え置き
 (3)郵政事業の抜本的見直し
 (4)子育て、仕事と家庭の両立への支援
 (5)年金・医療・介護など社会保障制度の充実
 (6)雇用対策の強化-労働者派遣法の抜本改正
 (7)地域の活性化
 (8)地球温暖化対策の推進
 (9)自立した外交で、世界に貢献
 (10)憲法

 (全文)http://bit.ly/9YPvKR

 ○過信による失敗

 上記の郵政事業の抜本的な見直しの一環で、ユニバーサルサービスを担保できる郵便局・持ち株会社と4分社の経営形態の見直しを図るために小泉郵政改革で登用された西川元総裁の事実上の更迭と斉藤元財務省次官を後任に指名した。公約である「脱・官僚支配」の真逆の方向性となる官僚中の官僚の元財務次官の登用となった。これは、亀井郵政改革担当大臣の主導による決定(小沢氏は斉藤氏の盟友として当然同意)によるが、旧大蔵省をやめて14年経過しているとして天下りではないと誰が賛成すると思っているのだろうか?
 2月21日の長崎知事選は、民主党が政権政党としての初の地方選に臨んみ、「政治と金」の問題を曖昧なままでスルーするばかりか、露骨な利益誘導的選挙戦略をとってしまった。政権与党の政治力を見せつければ、選挙民はひれ伏すとでも思っていたのだろうか?
 
 ○軽さ・不誠実による失敗

 普天間米軍基地移転をめぐる問題(別稿:1月18日「沖縄米軍基地移転問題について①」、1月30日「沖縄米軍基地移転問題について②」)については、同盟国代表であり、合意内容の再検討をめぐって鋭意交渉中である米国への対応の不誠実さである。一国の首相と一国の大統領が議論し、一定の合意を模索する中での「トラスト・ミー」という言葉は、いわば債券発行のようなものである。「My word is my bond」というロンドン・シティの金言があるが、一度口にした言葉やそれを誠実に実行する責任の重さは、地位が高くなればなるほど取り返しのつかない事態をまねくことがある。

 ○人を使わない失敗

 政治主導も立派な思いであるが、政務三役ですべての行政事務を取り決めていくということは不可能である。重要な問題間の優先順位の問題、想定していなかった突発事項への対処、時間が限られていることの対応など、トップダウンで指示命令し、担当セクションがそれを効率的に処理していかなければ、会社で言えば即倒産ということになってしまう。政治主導というコンセプトをはきちがえ、官僚を有効に使わないということであれば行政はストップ・無政府状態となり、官僚は強いられたサボタージュ・バカンスを享受することになるだろう。

3.民主党マニュフェストで盛られていた内容と現状

 ○ムダ削減 - 国の総予算207兆円を全面的に組み替える

八ッ場ダム中止など難航。事業仕分けなどの手法により予算策定プロセスをガラス張りというか衆人環視の下にさらした。2010年度の削減額は16.8兆円の腹算用が約1兆円にとどまった。

 ○天下り - 天下りあっせん禁止、公益法人は原則廃止

上記のように日本郵政社長のポストに元官僚を起用。独立行政法人役員の公募を始める。

 ○子育て支援 - 子ども手当、高校の無償化

10年度予算に子ども手当半額分(月額1万3000円)、高校の無償化を担保する所要額を計上。4月以上に実施へ。11年度は子ども手当も満額支給を前提に5兆4000億円が必要。

 ○年金 - 2年間記録問題に集中。月額7万円の最低保障年金を創設

記録問題はマニュフェストより予算削減。制度改革の議論は手つかず。ミスター年金とよばれた長妻厚生労働相も疲れ気味。
 
 ○暫定税率 - ガソリン税など暫定税率の廃止

10年度は廃止を見送り。温暖化対策税の創設を検討。

 ○農業支援 - 農業の個別所得保障

10年度予算で約6000億円を確保。コメを先行実施。11年度以降は漁業などに拡大し、最終的に1.4兆円規模の助成予算となる。

 ○高速道路の無料化

10年度予算は概算要求の6000億円から1000億円に削減。無料化対象も交通量の少ない地方に限定して調査として実施。

 ○郵政事業 - 抜本的に見直し

西川前総裁を事実上更迭し、斎藤新総裁を指名。株式売却凍結法が成立。改革法案も提出予定。 

4.新成長戦略の基本方針

  昨年12月に公表された「新成長戦略の基本方針」では、今後10年について、「名目3%、実質2%を上回る成長を実現し、2020年の経済規模を650兆円とすることを目指す。失業率は直近の5.2%から3%台へ低下させる」としている。過去10年間の平均成長率は名目0%、実質1%に過ぎず、経済規模についても2007年度の515兆円が2009年度には473兆円に減少する見込みとなっていることを考えると、「言うは安し、行うは難し」を地でいくことになる。ばら色の絵は描けたものの、その画中に描かれている「餅」は眺めるだけで、そのうち絵の極彩色も退色していくことになるのだろう。自民党政権下での成長戦略は、公共事業主体の土建型国家、構造改革の名の下での供給サイドの生産性向上による成長戦略(行き過ぎた市場原理主義)に縛られてきたと総括した上で、今後は第3の道(環境・健康・観光の分野)における「新たな需要を創造」し、成長を目指すとしている。具体的にはこの3つの分野で2020年までに100兆円の新しい市場と470万人の雇用創出を実現する。

 ○6つの戦略分野

   強みを活かす成長分野  ⇒環境・エネルギー 健康(医療・介護) 
   フロンティアの開拓による成長 ⇒アジア 観光・地域活性化
   成長を支えるプラットフォーム ⇒科学・技術 雇用・人材

 施政方針演説にある、「官」から「民」へ、「中央」から「地方」へ、「コンクリート」から「人」へ、「国内」から「海外・アジア」へというベクトルに基づき、6月頃に取りまとめられる最終案と成長戦略実行計画(工程表)によって実現性の程度が確認されるので、この段階のコメントは難しい。ただ、成長戦略を実現するための財源の担保が可能であるかは、2009年の基礎的財政収支(プライマリーバランス)が過去最悪の40兆6000億円、名目GDP比8.6%という状況でのスタートとなりハードルはかなり高い。また、この考え方が需要創造型への転換とあるように「消費者であり、労働者である人」、つまり消費サイドのロジックで貫かれており、企業の国際競争力を高める生産性の向上や規制緩和などのコンセプトは曖昧で、供給サイドの視点がすっかり欠落している。
 また、上記の新成長戦略の最終案と同時期の6月までに中期的な財政再建目標を掲げる「財政運営戦略」とこの目標達成のために、2011年度から3ヵ年の予算をコントロールする「中期財政フレーム」を作るとしているが、消費税を4年間据え置くという公約も含めて戦略間の矛盾や不整合が目立ち、立ち往生することになろう。

5.鳩山政権は長命か

 平成時代に入り22年目となったが、この間の日本の総理大臣は15人。政治が安定しないと社会経済も安定しないということもあるが、この短期政権では中長期の成長戦略を取りようもなく、「政策よりも政局」に傾斜せざるを得ないということも否めない。

 ○長期政権の特徴(この項2008年9月12日付シティグループ証券資料より一部抜粋)

 歴代首相で、4年以上の政権の座にあったのは、池田勇人、佐藤栄作、中曽根康弘、小泉純一郎の4氏である。この4氏の共通項は以下の通り。
 
  ・厳しい総裁選挙を戦った経験がある
  ・明確な戦略目標がある
    池田勇人 :所得倍増計画
    佐藤栄作 :沖縄返還
    中曽根康弘:三公社(NTT、JR、JT)民営化
    小泉純一郎:郵政公社民営化
  ・強力な参謀がいる
    池田勇人 :大平正芳(官房長官、外務大臣)
    佐藤栄作 :保利茂(官房長官、幹事長)
    中曽根康弘:後藤田正晴(官房長官、総務庁長官)
    小泉純一郎:竹中平蔵(郵政民営化担当大臣、経済財政金融担当大臣、総務大臣)

 これを鳩山首相に当てはめてみる

  ・厳しい政権交代の総選挙を戦った(民主党内では小沢党首の辞任による総裁選で勝利)
  ・明確な戦略目標がある
    鳩山由紀夫:政治主導・脱官僚、コンクリートから人へ
  ・強力な参謀がいる  
    鳩山由紀夫:平野博文(官房長官)、寺島実郎(日本総合研究所会長)、平田オリザ(演出家)

 ○55体制以降の歴代首相

  就任年  首相     出身大学    前職      世襲の有無
  1954年  鳩山一郎   東京大学    地方議員    父が地方議員
  1956年  石橋湛山   早稲田大学   民間      なし
  1957年  岸信介    東京大学    官僚      なし
  1960年  池田勇人   京都大学    官僚      なし
  1964年  佐藤栄作   東京大学    官僚      なし
  1972年  田中角栄   -ー      民間      なし
  1974年  三木武夫   明治大学    民間      なし
  1976年  福田赳夫   東京大学    官僚      なし
  1978年  大平正芳   一橋大学    官僚      なし
  1980年  鈴木善幸   東京水産大学  民間      なし
  1982年  中曽根康弘  東京大学   官僚      なし
  1987年  竹下登    早稲田大学   地方議員    父が地方議員 
  1989年  宇野宗佑   神戸大学中退  地方議員    なし 
  1989年  海部俊樹   早稲田大学   政治家秘書   なし
  1991年  宮沢喜一   東京大学   官僚      父が国会議員
  1993年  細川護煕   上智大学    知事      祖父が首相
  1994年  羽田孜    成城大学    民間      父が国会議員
  1994年  村山富市   明治大学    公務員     なし
  1996年  橋本龍太郎  慶応大学    民間      父が国会議員
  1998年  小渕恵三   早稲田大学   学生      父が国会議員
  2000年  森善朗    早稲田大学   地方議員    父が地方議員
  2001年  小泉純一郎  慶応大学    政治家秘書   父が国会議員
  2006年  安倍晋三   成蹊大学    民間      父が国会議員
  2007年  福田康夫   早稲田大学   民間      父が国会議員
  2008年  麻生太郎   学習院大学   民間      祖父が首相
  2009年  鳩山由紀夫  東京大学    学者      祖父が首相・父が国会議員  

 ○菅副総理・財務大臣はしたたか

 昨年9月16日、鳩山由紀夫内閣発足により、副総理(内閣法第九条の第一順位指定大臣、経済財政相兼科学技術相)に就任し、担当事項として国家戦略局の担当したが、今年1月7日、藤井元財務大臣の体調不良による辞任に伴い、後任の財務大臣に横滑りの形で就任した。なお、経済財政相を続投するばかりか、国家戦略室は仙谷大臣に引き継ぐも国家戦略策定部分の権限は自らの手に残した。早速、消費税議論を開始するとの宣言とマニュフェスト(政権公約)についても政策に効果がなければ見直すという「政策達成目標明示制度」を導入を主導した。2010年、11年と実施した結果を12年度から政策の精査基準をもって予算査定へ反映することになる。これらはすべて菅副総理がもし首相になったときには、極めて重要かつ役に立つ仕組となるはず。

 ○民主党は自ら政権を降りることはない(連立解消はトカゲの尻尾切り)

 衆議院で絶対過半数を占め、解散がなければ今後3年半は政権与党として権限を思う存分に奮うことができる。鳩山首相、菅副首相、岡田外務相、前原国交相小沢党幹事長と5人の党首経験者をそろえ、自民党のようだと批判されようとも首の挿げ替え・政権のたらい回しによる政権維持は可能なラインアップである。これに枝野行政刷新相、野田財務副大臣も加わり、総理総裁候補の育成プロセスも起動し始めているように見える。解散するとしても勝利の方程式とタイミングは民主党の手の中にある。ということで、民主党の長期政権の道は始まったばかりであり、今後国内外の経済環境の好転や予算執行の効果が実感され始めると政権運営に強さもでてくることが予想される。今夏(7月11日想定)の参議院選挙で民主党が過半数を獲得できない、または惨敗を喫するケースでも衆議院の優越からこのシナリオに大きな変化はない。後述の自民党解体プロセスの進行により、「荷崩れ的」(馬糞の川流れといった御仁もあった)に民主党に合流する元自民も増えるのではないか、また公明党が節操もなく政権与党の甘い蜜に擦り寄ってくるケースもあると想定する。w)€刋ネw) 民主党にとっての獅子身中の虫は連立合意に縛られる社民党と国民新党の存在である。参議院の安定運営が上の2つのシナリオのいずれかの場合には是々非々で連立合意の見直しを提起し、実行することになるだろう。

 ○自民党の最終的な解体プロセスは確実に進行中

 自民党の凋落はとどまるところを知らない。(別稿:1月18日「自民党は今何をなすべきか①」、1月25日「自民党は今何をなすべきか②」 )今何をなすか。また、今何をなすことを期待されているかを理解していないし、理解しようともしていない。民主党の「政治とカネ」の問題追及は、天に唾するようなものである。「自民党的」政治とカネという枕詞が必ずつく論点を掘り下げても、国民の政治不信感を高めることはできても、自らは同じ穴のムジナのポジショニングから抜け出すことが出来ない。政策提案をし続けるべきだが、新しい党綱領を見ると政策立案能力欠如が露呈しており暗澹たる思いがする。渡辺みんなの党主の歯切れのよさ、潔さから比較すると2大政党制のもう一つは近い将来「みんなの党」ということになるかもしれない。

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