2010年1月18日月曜日

沖縄米軍基地移転問題について①

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移転受け入れの是非を問う、沖縄県名護市の市長選が17日に告知された。24日に投開票。過去3回は容認派が当選。米軍キャンプ・シュワブ沿岸部(名護市辺野古)を移転先とした日米合意の履行をどのように修正していくか。

 ○現職再選:島袋吉和氏(63・無所属)、自民・公明両党が支持、受入容認
  →県(仲井真弘多知事)と連携、13年の検討の経緯に基づいて計画を進める

 ○新人:稲嶺進氏(64・無所属)、民主・共産・社民・国民推薦、受入反対
  →前市教育長として、市政刷新や教育・福祉の充実。「市民目線の街づくり」

 米軍の日本駐留の継続の必要性については、極東の「軍事的安定の要」として機能してきた日米安全保障条約の50年間の実績とともに評価しなければならない。(1951年の日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約=旧安保条約からは約60年)
 現在、極東におけるロシア(旧ソ連)の軍事的な脅威は冷戦時よりも大幅に減退しているものの、中国および北朝鮮の拡大主義や冒険主義的な軍事リスクは引き続き存在するという認識から、質的変換を求める検討を行いつつも、引き続き日米安全保障条約の堅持と在日米軍基地の継続は国益に合致すると考える。
 市長選で稲嶺氏が勝利した場合、鳩山首相はさらにリーダーシップを発揮すべきまさにそのタイミングにおいて優柔不断さを露呈せざるを得ないだろう。最終的は米軍の国外退去を「希望」しているということだが、現時点では野党時代の無責任論は与党として国益を代表する立場になると封印せざるを得ないという判断をしている以上、名護市長選で国家の外交戦略を諮るという建てつけにしてしまった矛盾はどうしようもない。
 国民は社民党や国民新党に政権を委ねたわけではない。今後の日米安全保障にかかる方向性の検討は新安保50周年を機にしっかりと進めつつも、キャンプ・シュワブ沿岸部への基地移転と集約化、段階的縮小化に向けた中中期アクションプランを提示すればよい。この際、軍事技術のハイテク化や情報化もあり、旧来の海兵隊ロジックに基づいた基地運営ばかりではないビジョンも協働して策定するべきではないだろうか。

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