2010年1月25日月曜日

自民党は今何をなすべきか②

 自民党が24日党大会を開催し、谷垣禎一総裁は政権奪還に向けた結束を訴え、「常に進歩を目指す保守政党」と党の性格を定義した2010年綱領を了承した。「一部の人間が利益を分配して権力闘争に明け暮れる自民党とは訣別する」という、このタイミングでは最も古い自民党的体質を温存する民主党小沢幹事長のアンチテーゼとなるようなイメージ戦略を提起し、下記の綱領を掲げている。

 【自民党2010年綱領の柱】

 ■ 国民の自立心を損なう社会主義的政策を採らない
 ■ わが党は常に進歩を目指す保守政党である
 ■ 日本らしい日本の姿を示し、世界に貢献できる新憲法制定を
 ■ 自助自立する個人を尊重し、共助・公助の仕組みを充実
 ■ 地域社会と家族の絆・温かさを再生する
 ■ 財政の効率化と税制改正により財政を再建する
 ■ わが党は誇りと活力ある日本像を目指す
 ■ すべての人に公正な政策を実行する政府
 
採点が難しい。限りなく0点に近い。この綱領で政権は奪取できないことは間違いない。綱領に盛られた文脈において政策として具体的にイメージできるのは「財政再建」だけである。

 それでは、どのようにビジョンを掲げるべきか、以下に考え方をまとめてみよう。
 
1.期間の考え方

 3年半後の衆議院総選挙を視野に24か月連続計画を策定する

2.綱領に盛り込むメッセージ-10カ条

 (社会主義的政策をとらないなど、自明のテーゼは全く不要)

 ■ 日本の良いところをより伸ばす新保守主義
 ■ 国際社会における共存的発展を目指す国際協調主義
 ■ 新しい日本の在り方を定義する日本国憲法の改正
 ■ 地域経済の安定化・活性化につながる道州制(広域行政)の導入
 ■ 経済活性化のためのイノベーション関連の法人減税と助成制度
 ■ 長期的に安定的財政が担保できる税制改正
 ■ 国会議員の段階的で大幅な定員削減(参議院の制度抜本見直し)
 ■ 行政・公務員改革による効率的で透明な政府の確立
 ■ 少子高齢化への対応および各種教育制度等の充実
 ■ 責任政党としての持続的な改革・担政力の涵養

3.党内改革について

 派閥・長老的政治の打破
 年功議員は党幹部職として政策立案サイドへの転進か引退
 世襲の弊害の打破(親族の地盤は直接には継げない仕組み)
 民間・官僚との交流の活性化と登用
 政権構想ネットワークの構築
 党員拡大のKPIの設定
 政党助成金の効率的な活用
 政調会の所属ローテーションの活性化・部会再構成・戦略スタッフの外部化
 広報戦略の再定義(訴求するターゲット別支持拡大策の策定)

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